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スタッフのよもやま話  

その8 インフルエンザ予防

長門総合病院 感染管理認定看護師 渡邉恵代

 

今シーズン、長門市は、12月中旬にインフルエンザが警報レベルとなりました。インフルエンザは例年1112月上旬に徐々に増加し、13月で流行のピークを迎え、4月ごろに終息するといわれています。今シーズンはいつもより約1ヶ月早い流行ですが、これからもインフルエンザが流行する可能性があるため、日頃から私たちにできる予防策を行いましょう。

 

インフルエンザについて

インフルエンザは、インフルエンザウイルスが原因で起こります。インフルエンザウイルスはA型、B型、C型の3つの型が知られていますが、人に流行するのは主にA型とB型です。同じ型の中にも様々な種類があるため、一度かかっても、同じ年度で違う種類のウイルスにかかることがあるのはそのためです。インフルエンザは咳やくしゃみなどのしぶき(飛沫)を介して感染する飛沫感染や、直接接触で目や口や鼻などからウイルスが侵入する接触感染で感染します。13日程度の潜伏期間のあと症状が現れます。インフルエンザの症状は、急激な高熱、頭痛、筋肉痛・関節痛、鼻水などです。38度以上の高熱が34日持続したあと解熱し、通常は1週間程度で自然治癒することが一般的です。熱が高くならない、下痢などの消化器症状がみられる、長引くこともあり、経過には個人差があります。発症の24時間前からウイルスは排出され、発症後2472時間がピークでウイルスが排出されます。抗ウイルス薬はウイルス量が最大になる48時間以内に使用することで十分な効果を発揮するといわれています。

 

予防と対策

①感染対策の基本である手洗いは、インフルエンザ予防においても1番大切といってもよい予防策です。インフルエンザウイルスは、人の体を離れて物の表面に付着した後も、数十時間も感染力があるといわれています。ウイルスが付着した物の表面を手で触わることで感染することを避けるために手洗いが大切となります。インフルエンザウイルスは、アルコールによる消毒効果も高いためアルコールによる手指衛生も効果的です。また、不用意に口や鼻や目の粘膜に触れないことを心がけましょう。

②自分に咳やくしゃみといった症状がある時、咳やくしゃみのしぶきを物理的に遮断する目的のためにマスクを着用することは、人にうつさないために効果的です。日頃から咳エチケット(咳やくしゃみが出る時は、マスクやティッシュ・ハンカチ、袖を使って口や鼻をおさえる)を守ることを心がけましょう。

③インフルエンザはワクチンで防ぐことができる、唯一のウイルス性呼吸器感染症です。インフルエンザワクチンは、インフルエンザウイルスが身体に入ってきた時に感染をしないように完全に阻止する働きはありません。最も期待できる効果は、感染した際の重症化を防ぐことです。ワクチンを接種してから効果を発揮するまで約2週間程度かかるため早めに接種を終えておくと効果的です。予防接種の効果は5ヶ月程度持続するといわれています。

最後に、インフルエンザと診断された時は、十分な休養を取り、自分の体を早く治すことが最も大切です。そして、家族や学校や職場の人へうつさないことも大切になります。冬の乾燥した空気は、インフルエンザウイルスが活動しやすく、注意していてもかかってしまう・うつしてしまうことはあります。ただ、一人ひとりが心がけることで、その可能性をさげることはできます。日頃からの手洗いや咳エチケット、十分な栄養と睡眠、流行前のワクチン接種といった「複数の対策の組み合わせ」を行うことで、インフルエンザの予防につとめましょう。

(令和2年2月 長門時事掲載)

 

その9 顎骨壊死を防ごう

骨粗鬆症リエゾンマネージャー 薬剤師 宗村 拓美

 

《顎骨壊死とは?》

骨粗しょう症やがんの骨転移に対する特定の薬剤を使用している場合に、抜歯や歯ぐきの腫れ、入れ歯による粘膜の傷などを原因として起こる顎骨周囲の炎症によって、あごの骨が腐ってしまう状態を指します。腐ってしまうことを壊死と呼びますが、進行するとあごの骨の露出、痛み、歯肉の腫れや膿が現れることがあります。また、顎骨壊死の症状が現れるとその治療に難渋する場合が多いです。頻度としては、患者10万人年あたり発生率1~数十人(調査によってバラツキあり)。

 

《特定の薬剤とは?》

先の項で述べた顎骨壊死の原因となりうる特定の薬剤としては、ビスホスホネート製剤(内服・注射)とデノスマブ製剤(注射)の2種類があります。ビスホスホネート製剤の内服薬については、「服用後30分は横にならないでください。」、「起床時に服用してください。」、「たっぷりの水で服用してください。」等と言われていることが多く判断がつく場合もあると思います。ご自身の薬剤の内、ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤に該当するものがあるかどうかは処方される病院や調剤薬局で訪ねていただくとすぐに分かると思います。

 

《骨吸収抑制薬投与中シールについて》

「山口県歯科医師会 骨吸収 シール」の画像検索結果ビスホスホネート製剤とデノスマブ製剤を総称して骨吸収抑制薬とも言います。山口県歯科医師会が実施した会員歯科へのアンケート調査により、骨吸収抑制薬の投与歴が分からないまま観血的治療(抜歯等)されるケースが当初の予想以上に多いことが判明しました。骨吸収抑制薬の投与歴が分からないまま抜歯等をすることは顎骨壊死発症の可能性を高めることに繋がります。

顎骨壊死発症や治癒不全を未然に防ぐ対応策として、山口県、山口県医師会、山口県歯科医師会、山口県薬剤師会、がん診療連携拠点病院の連携のもと、「骨吸収抑制薬投与中」を示すお薬手帳用シールの運用が開始されています。骨吸収抑制薬投与中シールは、調剤薬局、病院等、実情に応じた機関において、お薬手帳の表紙の目立つところに貼付されます。骨吸収抑制薬を投与されている方でまだシールを貼付されていない方は調剤薬局、病院へお申し出下さい。

 

《最後に》

薬剤を中心に話を進めてきましたが、骨吸収抑制薬による治療開始前の全顎的な口腔健康管理(義歯の適合確認、う蝕治療、歯周治療)、感染源の除去(保存不可や予後不良な歯の抜歯、口腔と交通する埋伏歯)等、顎骨壊死を予防するためには定期的な歯科受診が非常に重要となります。特に、「歯ぐきやあごが腫れてきた、痛い」、「下唇がしびれた感じがする」、「歯ぐきに白色あるいは灰色の硬いものが出てきた」、「抜歯後の治りが良くない」、「歯がぐらついてきて、自然に抜けた」といった症状がみられた場合には、放置せずに医師、歯科医師、薬剤師に連絡してください。

(令和2年3月 長門時事掲載)

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