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スタッフのよもやま話  

その10 新型コロナウイルス感染症について

感染管理認定看護師 松田 純一

ウイルスの特徴

ヒトに感染するコロナウイルスは従来、邪のウイルス4種類と重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS)、中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS)の合わせて6種類が知られていました。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はこれらとは異なるウイルスです。新型コロナウイルスは、沫および接触でヒトヒト感染を起こすと考えられていますが、現時点では空気感染は否定的です。感染力は一人の感染者から2~3程度に感染させると言われています。

 

病態、症状

新型コロナウイルス感染症は呼吸器系の感染が主体です。感染した方全員が発症するわけではなく、無症状で経過してウイルスが排除される例も存在すると考えられます。潜伏期は、WHOによれば現時点では112.5日(多くは56日)とされています感染者の症状としては、発熱、咳、筋肉痛、倦怠感、呼吸困難などが比較的多くみられ、頭痛、喀痰、血痰、痢などを伴う例も認められます。

 

予防法

1)日常生活で気を付けること

まずは、一般的な感染症対策や健康管理を心がけてください。具体的には、石けんと流水による手洗いや手指消毒用アルコールによる消毒が大切です。外出先からの帰宅時や調理の前後、食事の前などに手をきれいにしましょう。

咳などの症状がある方は、咳やくしゃみを手で押さえると、その手で触ったものにウイルスが付着し、ドアノブなどを介して他の方に病気をうつす可能性がありますので、咳エチケットを行ってください。持病がある方、ご高齢の方は、できるだけ人込みの多い場所を避けるなど、より一層注意してください。発熱等風邪の症状が見られるときは、学校や会社を休んでください。また、発熱等の風邪症状が見られたら、毎日、体温を測定して記録してください。

2)環境消毒

新型コロナウイルスは、70%以上のアルコールや0.05%の次亜塩素酸ナトリウムも有効と考えられます。よく手が触れるドアノブやテーブル、スイッチなどをこまめに消毒しましょう

3)換気の悪い密閉空間を避ける

これまで集団感染が確認された場に共通するのは、換気の悪い密閉空間であった、多くの人が密集していた、近距離(互いに手を伸ばしたら届く距離)での会話や発声が行われたという3つの条件が同時に重なった場です。みなさまは、これらの3つの条件ができるだけ同時に揃う場所や場面を予測し、避ける行動をとってください。

 

相談・受診の目安

以下のいずれかに該当する方は、最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にご相談ください。

・風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く方(解熱剤を飲み続けなければならない方も同様です。)

・強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある方

なお、以下のような方は重症化しやすいため、この状態が2日程度続く場合には、帰国者・接触者相談センターにご相談ください。

・高齢者

・糖尿病、心不全、呼吸器疾患(COPD等)の基礎疾患がある方や透析を受けている方

・免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている方

・妊婦

2020318日作成

参考:厚生労働省・日本環境感染学会

(令和2年4月 長門時事掲載)

 

その11 「LH比」をご存じですか

薬剤師 宗村 拓美

 健診などの採血で測定されるコレステロール。コレステロールはホルモンを合成する材料であり、細胞膜の成分になるなど身体にとって不可欠です。コレステロールにはLDL(悪玉)コレステロールとHDL(善玉コレステロール)の2種類があます。LDL(悪玉)は、肝臓より全身組織にコレステロールを届けていますが、多すぎると血管壁に付着して動脈硬化をすすめます。一方HDL(善玉)コレステロールは、血管壁に付着する余分なコレステロールを回収し、肝臓に戻す働きをしています。そのため全身の動脈硬化を防ぎ、脳卒中(特に脳梗塞)や心血管疾患を防ぐためには2種類のコレステロールどちらもが多すぎず、少なすぎずバランスよく存在することが大切です。そのバランスの指標が「LH比」です。LDL(悪玉)÷HDL(善玉)で求められ、2までがよいとされています(糖尿病や心臓血管の病気がある方は1.5まで)。計算式をみても分かるように、LDL(悪玉)はなるべく減らし、HDL(善玉)はなるべく増やすとLH比が改善します。

 それではこのLH比を生活習慣で改善するにはどうしたらよいのでしょう。大きく次の4つです。①身体を動かす:現代人は家電もなく乗り物もなかった時代に比べ身体を動かす量が200分の1にまで減っているそうです。体を動かすとLDL(悪玉)が減り、HDL(善玉)が増え、結果としてLH比が改善します。特別な運動でなくても歩く距離を増やしたり、階段を使ったり、家事でこまめに動くことでも大丈夫です。ご自身でずっと続けられる運動を見つけてみてください。時間の目安は1日60分以上(65歳以上の方は40分以上)です。②食材でコレステロールを減らす:コレステロールは体内で合成されるものが80%、食事からの摂取が20%です。しかしその食事(お菓子も含む)が現代では脂質が多く、コレステロールを上げる原因となっていることも事実です。昔ながらの日本食がベストです。魚や大豆、野菜、海藻、きのこなど、また穀物もできるだけ完全精製されていない全粒粉や玄米などを混ぜて食べるのもおすすめです。肉類は大切なたんぱく源ですので避ける必要はありませんが、脂質の少ないささみ肉、豚ひれ肉、とり胸肉(皮は除ける)が良いです。しかし日本食は欠点が1つ、塩分が多いところです。できるだけ薄味を意識してください。③満腹まで食べない:満腹まで食べるということは食事全体の量が増え、結果として脂質を摂り過ぎてしまいます。食事量が増え内臓脂肪が増えるとLDL(悪玉)が増えます。腹8分目は理にかなった知恵です。④タバコをやめる:タバコはHDL(善玉)を減らしてしまい、LH比が高くなります。またタバコ自体が動脈硬化をすすめますし、数ある発がん性物質のなかではっきりと発がん性が証明されているものです。なにをおいても禁煙です。以前より禁煙治療が保険適応ですのでご検討ください。①~④の1つからでも大丈夫です、ご自身のために取り組んでみられませんか。

※コレステロールの値によっては、「要受診」となっています。その際はまずは生活習慣改善に併せて、受診もしてください。

(令和2年5月 長門時事掲載)

 
 

その12 放射線治療について

 
放射線治療専門放射線技師 荒田 克昭
 
放射線診療は“診断”と“治療”に大きく分類されます(前者は皆さんご存じのレントゲン写真やCTなど、後者は放射線を用いたガンなどの治療)そこで今回の“「長門病院」地域元気発信”は放射線治療についてお話ししたいと思います。
まずは放射線の歴史を少し、よく耳にするX線はドイツのヴィンヘルム・レントゲン博士により1895年11月8日に発見されました。発見したものの、謎だらけということで数学において未知を表す記号“X”を冠し“X線”と命名された次第です。その後X線は医療の現場で大活躍。加えて進化し続け現在のレントゲン写真、透視、CTなど医療には必要不可欠なものになりました。
本題の放射線治療においてはX線が発見された翌年には最初の放射線治療が行われ100年以上にわたり、ガン治療(一部の良性のものにも治療したりします)に放射線は用いられてきました。その間に様々な装置や学問が発達し放射線治療は急速に進歩し、高い治療効果と少ない副作用を目指し続けています。
放射線治療の進歩としては、数十年前の装置(コバルト照射装置)では使用できる放射線の強さが弱く治療した所の皮膚が変色し、数年後まで残ったままでした。その後リニアック(直線加速器)と言われる装置が主流になり、放射線治療に使用出来る放射線の強さや種類が増え、皮膚の変色等の副作用も劇的に軽減されています。
放射線治療には、
  • 放射線治療をして腫瘍を小さくして外科的手術を行う方法
  • 放射線治療だけを行う方法
  • 痛みがある所に対して痛みの緩和目的で行う方法
  • 抗がん剤治療やホルモン療法と合わせて行う方法
  • 放射線増感剤といわれる薬と合わせて行う方法
等が、あります。(方法等は色々あるので、主治医にご相談され専門医に紹介してもらうのも良いと思います。)
放射線治療は毎日(土日祝日を除く)数十日間行われ、治療の間は毎回なるべく同じ位置に治療をする事が大切になります。その為に体動を防ぐ為に固定する器具を作成し、IGRT(画像誘導放射線治療)というリニアック装置で多方向から撮影をしたり、輪切りの画像を撮影したりして毎回の治療時に同じ位置であるかを確認し数mm以内の誤差で治療をしています。
また、放射線治療の一種で、陽子や重粒子(炭素イオン)などの粒子放射線を病気の部位に照射する治療法は、X線による一般的な治療に比べて、より病気の部位に合わせて放射線を照射できる利点があります。山口県から一番近い所では佐賀県や岡山県にあります。
と、かなり難しい話をしましたが放射線治療は痛みも無く、なるべく動かないようにしてもらうだけの治療です。しかし、色々と副作用もある治療なので不明な点は医師又は診療放射線技師にご相談下さい。
最後に、医療の現場には医師以外にも様々なスペシャリストが存在しています。医師を筆頭にチーム医療を目指し努力をして行きたいと思います。
(令和2年6月 長門時事掲載)
 
山口県厚生農業協同組合連合会
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